私の恩師の奥様が、もう何十年間も「伝統工芸 江戸木目込人形」を製作されております。その奥様が教えておられる千鶴萠会メンバーさん方で、「源氏物語」の場面を表現する人形を製作発表されたのです。紫式部に光源氏は勿論のこと、ストーリーに沿って人形が製作されておりました。今回のこのグループ作品は、その素晴らしさを認められ大賞を受賞したものでした。
その制作方法は、最初に膠(にかわ)と木屑を錬って整形し、乾燥後、その人形の着物の打合せに合わせて彫り込みを入れ、その上から着物として生地を木目込んで行くのだそうです。頭(かしら)は別にゼロから創り、顔の表面は胡粉(ごふん)を何度も塗り重ねて表情を作り上げるという気の遠くなるような作業です。
女将 児島敏子
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